今日は、

  「君子固窮」
    弟子の一人が質問をしました。
    「立派な人でも困窮することがあるのですか」と言った。
    先生は答えました。
    「誰でも勿論困窮することがある。だが、つまらない人間は、窮すると、取り乱して何でもしたい放題になる。本当の人格者とは、そうはしないものである」

  才能がどんなにあふれている人でも、努力することをどんなに惜しまない人でも、日頃の行いがどんなに立派な人でも、困難に直面することはあるのです。
  だが、修行を重ねた者は、そこで熟考し、打開の道を探るのです。一方で修行の足らない者は、困難から逃れようとして、不適切な行動に走るのです。そこが違うのだ、というのです。

  人格の差が鮮明に現れるのが窮地に追い込まれた時の対処法というわけで、判断することがいかに重要かを戒めた警句です。
  難題に直面するたびに、逃避ばかりして、抜本解決を怠り、出鱈目な行動をしているようでは、つまらない人間のままだ、というのです。

  本当に立派な人というのは、いつも、初めからどうしたらよいのか分からないところで生きているのです。
  本当に優秀な人というのは、むしろ、悩みや苦しみをたくさん抱えて日々を送っているのです。
  本当に偉大な人というのは、いくつもの、悲しみや辛さを何度も何度も乗り越えて、重い過去を背負っているのです。

  私自身もまだまだ勉強中ですし、まだまだ修行が足りないことを自覚しているつもりです。ただ、いつでもどこでも何があっても、自分自身を見失わないで生きてくのだ、という思いは捨てられません。
  これからも、様々な危機に遭遇することがあるでしょうが、逃げることなく、取り乱すことなく、周囲の誘惑に惑わされず、自分の目標に向かって歩き続けていきましょう。


 アルコール(正確にはエタノール)が体内に入ると、(多くは)肝臓でアルコール脱水素酵素(alcohol dehydrogenase)によりアセトアルデヒドに分解され、更にアセトアルデヒド脱水素酵素(aldehyde dehydrogenase)によって酢酸に変わり、更にさらに炭酸ガスと水に分解され、体外に排出される。肝臓はこの一連の作業のエネルギー源としてブドウ糖を消費し、血液中の血糖値が減少する。すると下がった血糖値を食物摂取によって補おうとするので食欲が沸く。
  CH3CH2OH + NAD+ → CH3CHO + NADH + H+
  CH3CHO + NAD+ → CH3COOH + NADH + H+
  CH3COOH+ 2O2 → 2CO2+ 2H2O
  2Pyruvate(CH3C(=O)COOH)+ 2NADH → 2Lactate(CH3CH(-OH)COOh) + 2NAD+
  Glucose(C6H12O6) + 2ADP + 2Pi + 2NAD+ → 2Pyruvate(CH3C(=O)COOH)+ 2ATP + 2NADH + 2H+

 そこでラーメンを食べると、ラーメンの麺は主として炭水化物なので消化の過程でブドウ糖などに分解されて減少した血糖値が戻り、満腹感が得られる。
 またアルコールが肝臓で分解された結果生じた水分は尿となって排出され、結果として体から水分が失われる。また、アルコールは腎臓で抗利尿ホルモン(antidiuretic hormon)に競合阻害するので、利尿が起こり、脱水が起こる。すると体が失われた水分を補給しようとする。ラーメンのスープはこの際の水分補給源となる。
 肝臓でアルコールを分解する役目を果たすADHとALDHの働きを助けるものにイノシン酸がある。これは肉類に含まれるうま味成分のひとつで、トリガラやトンコツでダシを取るラーメンスープにはこれが豊富にある。アルコールを摂取した後でラーメンを食べるとイノシン酸を摂取できるので、アルコールの分解には都合が良い。つまり酒を飲んだ後にラーメンが欲しくなるのはブドウ糖・水分・イノシン酸の三つを効率的に摂取できるからである。

 もっとも、夜遅くまで酒を飲んだあとで何か食べようと思っても、営業しているのは深夜営業のラーメン屋ぐらいという現実的な事情もあるのだろうが………。

 では、ラーメン以外ではいけないのだろうか、あるいは他にもっとよい選択肢があるのか。
 結論から言うと、うどんがよい。煮干なりでだしをとれば、十分にイノシン酸は得られる。また、消化も良い。さらに、これが決定的なことであるが、塩分を制限できる。ラーメンだと、どうしても塩分過多になりがちである。香川県民を初めとして、飲んだ後に『うどん』の人達は一杯います。

「個人の尊重」に重きを置くのと「社会の公正」に重きを置くのと